そもそもニオイに対する感覚は人間にとって本能的なものであり、特に悪臭や不快なニオイは無意識に有害性や毒性を連想させ、その人の印象をネガティブな方向へ導きます。またニオイの原因には遺伝や体調不良など個人で即座に改善しにくいものもありますが、衣服のニオイは適切な対策で軽減できるため、衣服のニオイを放置することは一層にマイナス評価を増大させかねません。清潔感のある男になるため衣服のニオイについても意識を高めていきましょう。
ついつい「身だしなみ」と聞くと髪型やスキンケア、適切な服装選びといった見た目の問題を連想してしまいがちですが、ニオイもまた目に見えない「身だしなみ」として気をつけるべき重要なポイントです。
特に、どれだけ見た目が良くて写真や映像で好印象を与えられても、実際に対面した時に衣服から悪臭や不快なニオイが漂っていると、マイナスギャップが増大してそれだけでネガティブな第一印象につながってしまいます。また、衣服のニオイなどをケアせずに人と会っているという行為そのものが、清潔感の欠如した人間である印象を与えてしまいかねません。
そのため異性からの印象や反応だけでなく、社会人としての対人コミュニケーションを考える上でも、衣服のニオイに関する理解やケアは重要です。
悪臭や不快なニオイと一口に言ってもその種類や原因は様々です。そのため、まずはどのようなニオイが存在するのか、原因や対策を考えるためにも種類を理解しておきましょう。
例えば生乾きのまま悪臭が固着してしまっている衣服や、お風呂に入らなかったり食生活が悪かったりと日々の行動のせいで強まっている体臭や口臭、また香水の付けすぎやワキガといった原因によるニオイは、その時点でずっと発生し続ける悪臭です。
しかもそのようなニオイは時間を経ても薄まっていくことがないため、きちんと対策しなければ朝から夕方までずっと職場などで悪臭をまき散らしてしまうといった恐れもあります。
加えて、ずっと残るニオイは嗅覚をマヒさせるため、自分でニオイに気づきにくくなることも厄介なポイントです。
例えば朝の時点ではそれほどニオイが強くないにもかかわらず、時間が経つごとにニオイが強まっていき、いつしか強烈な悪臭になってしまうといったものもあります。
一例としては、体を動かして汗をかくことで発生するニオイや、タバコを吸うことで体に残るニオイ、その他にも香りの強い食べ物を食べたことで残るニオイなどが考えられるでしょう。
後から強くなったり、何らかの行動やシチュエーションが原因で発生したりするニオイは、最初の時点で気づきにくいからこそ本人も無自覚に発生させているといったケースが少なくありません。
衣服のニオイはずっと残ってしまうニオイと、後から強くなるニオイの、どちらの可能性もあり得ることがポイントです。
そのためどちらか一方のニオイについて対処すればOKというものでなく、それぞれの原因や特性を理解した上で適切な対策を講じなければなりません。
衣服のニオイについて考える時、中には「きちんと洗濯しているから大丈夫だ」と考える人も多いでしょう。しかし実際には洗濯をしていてもニオイが発生してしまうケースはあります。
洗濯しているのに衣服の不快なニオイが改善されない原因の1つに、汗や皮脂が繊維にこびりついて残ってしまっているといった場合が考えられます。特に体質的にワキガ傾向にある人や皮脂の多い人の場合、汗や皮脂の成分が衣服の繊維に染みこんで簡単に除去しにくくなるケースは珍しくありません。
また、そうでなくても洗濯の仕方や洗剤の選び方に不備があり、きちんと洗浄効果が発揮されずに汚れや皮脂の成分などが残っていることもあります。
洗濯をした直後は綺麗に洗われてニオイがなくなっていても、乾燥させている間に雑菌が繁殖していつしか不快なニオイを発生させていることもあります。特に部屋干し・室内干しで衣類を乾燥させたり、洗剤の使い方を間違えたりしている場合、雑菌が繁殖しやすくなって生乾きの嫌なニオイが乾燥後も残ってしまうことにつながりかねません。
洗濯した後に一度でも雑菌が繁殖すれば、もうその衣服をそのまま放置していても雑菌が減少してニオイが解消されることは難しくなるため、改めて洗濯したりケアしたりといったことが必要です。
生乾きの嫌なニオイが発生する原因として、洗濯の仕方や乾燥の仕方に原因があることも少なくありません。
そもそも大気中には常に様々な菌やウイルスが浮遊しており、自然に衣服を置いておくだけでその表面には雑菌が付着します。そして生乾きで湿度の高い状態を維持してしまうと、雑菌の繁殖を促して悪臭につながるという仕組みです。
また、洗剤の使い方が悪かったり洗濯の方法が誤ったりしていると、十分に雑菌や汚れが除去されず、改めて雑菌が繁殖しやすい土壌を作ってしまうかも知れません。
洗濯機や洗剤を使う際には、洗濯する衣服の量に応じて適切な洗剤の量を投入したり、部屋干しをする際には部屋干し用洗剤を使ったりと、的確な手順や方法で洗濯することが肝要です。
遺伝的な体質や体調不良に起因する体臭や口臭と異なり、衣服のニオイはきちんと対処することで軽減・改善できるため、清潔感のある男を目指すなら最初に取り組むべきポイントになります。
日本人は特にニオイについて敏感な民族とも言われており、実際ドラッグストアや雑貨店などには様々な消臭アイテムやデオドラント製品が並べられています。そしてその中には体臭ケアのための商品だけでなく、衣服のニオイケアに特化した商品も存在している点は無視できません。
洋服やカバンなど布や繊維の消臭を目的としている消臭スプレーや、特に靴や靴下といったアイテムのニオイの軽減を目指している消臭剤、さらに雑菌の繁殖を抑えてニオイの発生原因にアプローチする消臭製品など色々なものがあります。
ニオイをケアする方法の1つとして、香水や香り成分を含有した整髪剤などを使用することもあります。ただし、これらは適量を使用すれば良い香りを漂わせられるとしても、過剰に使用することで逆にニオイが強くなりすぎて新たな不快感を強めてしまう点に要注意です。
また、そもそも衣服のニオイや汗のニオイが残っている状態で香水や整髪料を使うと、それらの香りが不快なニオイと混合され、より一層に不快感を抱かせるニオイになってしまう恐れもあるでしょう。
クローゼットやタンスから衣服を取り出した時点では問題がなくとも、朝の準備をしたり朝食を済ませたりしている間にニオイが発生しているようなケースもあります。
そのため、手に取った時点でニオイの問題がないからといって油断せず、自宅を出る前に改めて身だしなみチェックの時間を設けて、ニオイについてもきちんと確認する一手間が重要です。
また、その短時間でニオイが発生している場合、根本的に日々の衣服の処理方法が誤っている可能性もあります。
湿気の多い時期や雨が続いて部屋干ししか選べないような季節は、自宅で洗濯・乾燥するのでなくクリーニング店へ依頼したり、せめてコインランドリーの業務用乾燥機でしっかりと乾燥させたりといった方法も効果的です。
ただし、毎回のクリーニングなどは費用もかさむため、長期的にコストパフォーマンスを考えるのであれば自宅に乾燥機を導入するといった選択肢もあるでしょう。
そもそも部屋干し対応でない洗剤で洗って部屋干しをしていているような場合、どれだけ洗濯機で衣類を洗っても乾燥時に雑菌が繁殖して悪臭を発生させるリスクは高まります。また皮脂や汗がこびりついているような衣服については、通常の洗剤だけでなく皮脂分解成分を含有した洗剤や漂白剤などで事前に処理するといった方法もあります。
真面目に洗濯してケアも怠っていないはずなのにニオイ問題が解決できない場合、根本的に使用する洗剤の種類や使い方が誤っていることもあるため注意してください。
洗濯機で衣服を洗濯した後は、速やかに取り出して乾燥させることが大切です。
濡れたままの時間が長引けば長引くほど雑菌の繁殖リスクが高まるため、洗濯する際にはその後に取り出して乾燥できる時間的余裕も考慮してスケジューリングするようにします。
洗剤を沢山使えば使うほど綺麗になると考えている人は少なくありませんが、むしろ適量を超えて洗剤を使うことで洗濯後に洗剤が残ってしまい、それが原因でニオイを発生させることがあります。
洗剤メーカーは洗濯物の量や水量に応じて適切な量を計算して洗浄成分を調合しているため、洗剤や柔軟剤の使用量は必ずそれぞれの製品の使用法として定められている分量を守るようにしてください。
汗や皮脂が残ってしまう場合、水でなくお湯を使って洗ったり「つけおき」を行ったりすることも効果的な対策の1つです。
なお、洗濯洗剤や漂白剤にはつけおきに適した分量や時間が表記されている製品もあり、普段とは異なる洗い方をする場合はそれらのマニュアルをチェックすることも大切です。
その他にも、酵素系漂白剤などを使ってつけおきすることで、皮脂の分解をサポートして洗濯機で洗いやすい状態にできる製品も販売されています。
部屋干しや室内干しをする場合は専用の洗剤を使うことが肝心です。
部屋干し洗剤や室内干し専用洗剤は抗菌成分などを配合することで、生乾きの状態でも雑菌の繁殖を抑えやすくできるようにと製品コンセプトが設定されています。
洗濯機に乾燥機が搭載された乾燥機付き洗濯機を購入することも効果的な対策です。これにより乾燥時間を短縮して、雑菌が繁殖しやすい状態を軽減することができます。
ただし乾燥機付き洗濯機にも様々な製品が存在しており、中には乾燥機能がオマケ程度というものもあるでしょう。そのため、場合によっては乾燥機付き洗濯機を購入するのでなく、乾燥に特化した乾燥機を別途導入した方が適していることもあります。
どのような製品やメーカーが効果的かは使用状況や使用環境によっても異なるため、家電量販店やメーカーの担当者に相談して自分に合った製品をリストアップしてもらいましょう。
香水やデオドラント製品は使用法や使用量を誤ると、逆に強すぎるニオイを発生させてしまいます。合成香料(化学物質)のにおいによって、不快感や健康への影響が生じる「香害」の原因になりかねないため、注意が必要です。
目やのどの痛み、せき、頭痛、めまい、吐き気、アレルギー症状などを誘発する可能性があり、香害が原因となって、化学物質過敏症を発症するケースが報告されています。
そもそも香水やデオドラント製品には複数の種類があり、オードパルファンやオーデコロン、オードトワレといった分類によって香りの強さや持続時間が異なります。
そのため、自分がどのようなタイプの製品を使っているのか理解しないで同じ使い方をしていると、場合によっては香りが強くなりすぎたり、反対にほとんど効果を発揮しなかったりといったことになるでしょう。
清潔感のある男として心地よい香りを身にまとうためには、まず自分が使用している製品に合わせて適切な使用法や適量を確認することが先決です。
人の体臭は千差万別であり、香りの相性も相応に多種多様です。そのため、例えば有名人が紹介している香水などを購入しても、自分の体臭や体質に合っていなければ同じような効果を獲得することはできません。
とはいえ、自分の体臭と香りの相性はなかなか自分で判断しにくいため、香水の専門店などを訪れて自分に合う製品や香りの傾向をチェックしてもらうことも効果的です。
体質や体調の問題と異なり、衣服のニオイは日々の取り組みで改善の可能性がある要素だからこそ、印象を左右させやすいポイントだ。ここでは衣服のニオイやケアに関して、美容に詳しい20~30代女子のホンネを紹介するので、心して受け止めてもらいたい。
あやかさん
(25歳)
どうしても生まれつきの体質や病気などでニオイがキツくなっちゃう人もいるじゃないですか。そういうニオイは、臭いけど仕方ないなと思う部分もあるんです……。でも、衣服のニオイってちゃんと対策すれば軽減できるものですよね。
努力で改善できる問題をほったらかしにして見た目を整えられても、浅い人だなって印象しか抱きません。
Enaさん
(34歳)
画像や動画の第一印象でどれだけ素敵な人だと思っても、いざ会って近づいてみると服が臭いなんてことになったら、好感度や評価は一気に下がっちゃいますね。
それに臭い服を着て平気そうにされると、もう根本的に私とは合わないんだなって気持ちが強くなるし。服のニオイを放置するのは悪印象を着るのと同じだって気づいてください!
衣服のニオイ問題は、ワキガや口臭と同様に自分の印象を左右するポイントであると同時に、どんな人でもきちんと考えて取り組むことで解決を目指せるテーマでもある。
だとすれば、清潔感のある男になりたいと考える人にとって衣服のニオイケアは真っ先に対処して日常生活に取り入れるべきものだろう。
むしろ日常的なケア習慣を身につけさえすれば良い香りを身にまとって好印象へアプローチできるのだから、今日からでもぜひ衣服のニオイケアをルーティンに取り入れてもらいたい。