季節の湿度や気温に合わせて変わりやすい髪のコンディション。しっかりシャンプーやトリートメントをしているはずなのに、何かベタつきやカサつきが気になるという人もいれば、別にハゲてるわけじゃないし、髪や頭皮をあまり気にしていない!という人もいるだろう。
だが、髪がしっかりと手入れされているのとそうでないのとでは、人の見た目に大きく関わることは容易に想像できるだろう。そう、髪は男の清潔感を大きく左右するのだ。
今回は、実際にヘアケアに悩んでいる男たちに向けて、髪が不潔な印象を与えてしまう原因や実際に多いヘアトラブルについて解説しながら、解決策を紹介していく。
自宅でできるセルフケアを中心にまとめているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
男性専門美容室 PERCUT(パーカット)によるアンケート調査によると、男性に対して「髪型やヘアケアに気を遣ってほしい」と考えている女性は「すごく思う」が26.3%、「少し思う」が60.4%と、全体で86.7%にものぼることが分かった。
また、髪型やヘアケアは、体型やファッションなどの見た目よりも気を遣ってほしいと回答した女性が多く、いかに女性が男性の髪型やヘアケアを気にしているかが分かるだろう。(※1)
また、男性の髪型を「TPOに沿っている方が素敵」と思う女性は85.9%と高い結果になった。(※2)。多くの女性が髪型やヘアケアに気を遣い、TPOに合わせたヘアスタイルができる男性に好印象を持つと考えられるのだ。
さらに、「職場でしてほしい髪型」「プライベートでしてほしい髪型」の2トップはセンターパートとツーブロックの2つだった。この結果から、前髪をあげていておでこが見えるくらい短めのヘアスタイルが女性に好まれると分かる。対してマッシュなどの長めのヘアスタイルはあまり人気がなく、清潔感を与えやすいのは短めの髪型と言えるだろう。
いくら髪を短めにしていても、ヘアケアを怠ると相手に不潔な印象を与えてしまう場合がある。ここからは、髪が不潔に見えてしまう原因についてまとめてみた。少しでも自分に当てはまるところがないか、注意してチェックしよう。
いくら身だしなみを整えていても、服の肩や頭皮にフケがついていると、一気に不潔な印象を与えてしまう。冬場など乾燥しているときに出やすいと思われがちなフケだが、実は脂っぽくなりやすい夏場にも出てきてしまうので注意したい。
フケには「乾性フケ」と「脂性フケ」の2種類がある。確かに乾燥しているとフケが出やすいが、それは乾性フケ。薄くて細かくパラパラと落ちるのが特徴だ。
それに対して脂性フケは、乾性フケに比べて大きな固まりになり、髪の根元についていることが多い。もともと脂っぽい肌質の人や汗をかきやすい人、整髪料をきちんと落とさずに寝てしまう人に発生しやすいフケだ。
フケは種類によって原因や形、付着しやすい場所は異なるが、どちらも頭皮環境の乱れからくるものなので毎日のヘアケアが大切だ。
いつも濡れているような湿っぽい質感やベタつたい髪は、見た目の脂っぽさから不潔な印象に見えてしまう。
髪のベタつきは頭皮から過剰な皮脂が出ているのが主な原因だが、髪型を整えようとワックスやジェルなどの整髪料をつけすぎてしまっても、ベタベタした質感に見えやすくなるので注意しよう。髪に動きがなく、髪の束がカタマリになってしまう見た目もNG。脂っぽさを感じさせたくないなら、見た目の質感や毛流れを意識したヘアスタイルに見直すべきだ。
「髪は毎日洗っているし、フケも出ていないから大丈夫!」と気を抜いてはいないだろうか。寝ぐせがついている髪も、清潔感からは遠くかけ離れてしまうので注意したい。
寝ぐせは、朝起きてから何も手入れをしていないのをアピールしているのと同じだ。不潔な上にだらしない印象を与えてしまう。会社勤めをしているなら、社会人としても信用を失いかねないので気をつけよう。
寝ぐせのついた髪は、スタイリング剤で整えると簡単に解消する。ただし、寝ぐせを直そうとスタイリング剤をつけすぎてしまってもベタつきの原因になってしまう。寝ぐせがひどい場合は、蒸しタオルをあてる、髪を洗って乾かし直すなどで対処しよう。
無造作に伸びすぎてしまった髪や手入れをしていない髪も、清潔感を与えることはまずないと考えるべきだ。
長髪でも、美容院でこまめに手入れされた美髪ならその限りではないが、伸びっぱなしや傷みっぱなしの男性のロングヘアは不快な印象を与えてしまいやすい。ファッションとして伸ばすのはもちろんアリだが、長髪にするなら女性以上に気を遣うくらいの意識でケアしなくてはならない。
ここからは、男性に多いヘアトラブルの原因とその解決策について解説していく。トラブルを放置したままにしておくと、清潔感どころか薄毛の原因にもなり兼ねないので、今からしっかりと対策しておこう。
髪を洗ってから時間が経つと、皮脂と汗によって菌が繁殖してニオイの原因になってしまう。酸っぱいような独特なニオイが特徴で、見た目の清潔感に問題はなくても周囲に不快な印象を与えてしまうため注意したいものだ。髪や頭皮の脂と汗をしっかりとオフするように心がけよう。
ニオイを出さないようにするには、頭皮に皮脂を長時間とどまらせないこと、つまりシャンプーが最も効果的だ。
38度くらいの熱すぎない温度で与洗いし、手でシャンプーを泡立ててから洗うようにしよう。洗い残しがあってもニオイが出やすくなるので、すすぎも十分に。頭皮が濡れたままにしていても菌が繁殖しやすくなるので、タオルドライしたらドライヤーでしっかりと乾かすようにしよう。
どうしてもニオイが気になる場合は、皮脂のニオイ汚れをしっかりと落とせる、洗浄力の高いシャンプーを使用するのがおすすめだ。
皮脂や汗で頭皮が汚れている状態が続くと、毛穴に汚れが詰まって血行が悪くなり、髪に栄養が行き届かずに抜け毛が起こりやすくなってしまう。
また、男性の場合、男性ホルモンの増加によって抜け毛が進行する場合もあるため、急な抜け毛が気になる場合は病院での検査も大切だ。自分の抜け毛の原因を知ってから適切なアプローチをするようにしよう。
抜け毛の原因が頭皮の毛穴汚れからくるものであれば、正しいシャンプーのあとに血行を良くする頭皮マッサージが効果的。男性ホルモンの影響で起こっているのであれば、病院で薬を処方してもらう手もある。
毎日しっかりと洗髪しているはずなのに出てきてしまうフケは、乾燥肌の人もオイリー肌の人も悩みやすいヘアトラブルだ。 フケの原因が乾燥からくる「乾性フケ」か「脂性フケ」を知って、それぞれに適したアプローチを行うようにしよう。乾性フケの場合は頭皮の乾燥が原因なので、保湿効果のあるシャンプーを選ぶ、熱すぎるお湯で洗わないといった心がけが大切だ。
脂性フケの場合は、毛穴周りに詰まった皮脂を浮かしてからしっかりと落とすようにシャンプーすること。皮脂が過剰に分泌してしまわないよう、食生活の見直しも心がけるようにしよう。
皮脂の過剰分泌や頭皮の乾燥は、フケだけでなくかゆみを引き起こす場合もある。人によっては、白髪染めやヘアカラーのアレルギー症状でかゆみが出たりシャンプーの成分が合わずにかゆみが出たりするケースもあるので注意したい。
まずは、自分の頭皮のかゆみの原因を知った上で、それぞれに合った解決方法を探るのがおすすめだ。乾燥を防ぐために保湿効果のあるシャンプーにする、自分に合ったシャンプーやヘアカラーを見つける、ヘアカラーを止めてみるなどで様子を見よう。
どうしてもかゆみが治まらない、悪化するなどの場合は他の病気の可能性も。かゆみに加えて炎症や湿疹が出ているなら、早めに皮膚科を受診するようにしよう。
オイリー肌の人に多いのが、髪のベタつきの悩みだ。その大きな原因は頭皮から出た皮脂。皮脂は、時間とともに頭皮から髪に広がっていくので時間が経つほどベタつきを感じやすくなる。シャンプー時は予洗いを長めにし、整髪料をしっかりと落とすようにしよう。
整髪料を使わないのに髪がベタついてしまう人は、頭皮の毛穴付近に残りやすい皮脂までしっかりと落とせる洗浄力の高いシャンプーを使うのがおすすめだ。
せっかくTPOに合わせた髪型に気を遣ったりヘアケアを心がけたりしても、パサパサ、ゴワゴワな髪型だと清潔感が半減してしまう上、疲れたような老けた印象を与えてしまい兼ねない。
反対に、キューティクルのあるサラサラ髪は、ワックスやスプレーなどで固めなくてもナチュラルに見せることができるので、より好印象を与えられるだろう。
女子ウケの良いさわやかなイケメンたちは、みな往々にしてサラサラヘアが基本なのだ。
そこでここでは、サラサラヘアになるための「キューティクル」を保つ方法について詳しく解説していく。潤いのある美髪でより清潔感を高めたいメンズは、ぜひ参考にしてみてほしい。
キューティクルのある髪とは、つまり栄養が行き届いた健康的な髪だ。頭皮の血行が良くなり髪に栄養が行き渡れば、キューティクルがしっかりとできるようになる。サラサラヘアを目指すなら、髪の頭皮環境が良くなるように丁寧にケアすることが大切だ。
健康な髪になるためのセルフケアの基本は「ブラッシング」「シャンプー」「トリートメント」の3つ。以下で詳しく解説していこう。
「短髪だから」「ラクなヘアスタイルだから」と、起きてから髪を梳かさずに出かけるメンズもいることだろう。髪にとってブラッシングは、見た目を整えるだけが目的ではない。頭皮の血行を良くするために重要なアクションなのだ。さらに、シャンプー前に髪を梳かすことで、外出時についた汚れを落とす効果もある。
朝起きたときとシャンプー前は、必ず髪を梳かす習慣をつけてみよう。最初は面倒に感じるかもしれないが、習慣になれば苦ではなくなるものだ。
また、シャンプー時の髪同士の摩擦を防ぎ、キューティクルが傷みにくくなることにも繋がる。サラサラ髪に近づきたいなら、ブラッシング習慣を取り入れてみよう。
キューティクルを大事にしたいなら、シャンプー選びも重要だ。なるべく界面活性剤が使われていないシャンプーを選ぶようにしよう。
ここで言う界面活性剤とは、合成界面活性剤のこと。合成界面活性剤は洗浄力は高いものの、髪のタンパク質まで分解してしまうほか、乾燥を引き起こしてしまう可能性がある。アミノ酸系やベタイン系など、キューティクルを傷つけないマイルドな洗浄成分が配合されたシャンプーを使うようにしよう。
シャンプー後のトリートメントやヘアオイルで傷んだキューティクルを補修する方法も効果的だ。トリートメントはシャンプーのあとに馴染ませて洗い流すものと、タオルドライ後につけてドライヤーで乾かすオイルタイプの2つがある。
髪をサラサラに保ちたいなら、週に1~2回の頻度でトリートメントするのがおすすめだ。
美容室でのトリートメントならより高い効果を期待できるが、セルフケアでも習慣にすれば十分に効果は得られるので、試してみてはいかがだろうか。
「面倒くさいから」「短髪だから」と風呂あがりにドライヤーを使わず、髪を自然乾燥させてしまうのはNGだ。髪を濡れたままにしているとキューティクルが開いた状態が続き、パサつきの原因になってしまう。
さらに、髪に空気中の雑菌がつきやすくなり、頭皮のニオイも発生しやすくなるので注意しよう。サラサラで清潔感のある髪を目指すなら、早めのタオルドライとドライヤーの使用は必須だ。
シャンプーの後についやってしまいがちなのがタオルでゴシゴシと髪全体を拭く行為だ。濡れた髪はキューティクルが開いた不安定な状態なので、ゴシゴシとこするように拭いてしまうと摩擦でキューティクルが剥がれてしまう。
髪が短いと難しい場合もあるが、タオルドライする際は擦るのではなく、ポンポンと優しく抑えながら水気をとるようにしよう。
意外と気づきにくいのが、紫外線によるダメージの影響だ。紫外線は髪の潤いを奪うほか、頭皮の荒れや乾燥を招く原因にもなる。帽子を被る、髪や頭皮にも使える日焼け止めスプレーなどを使って対策しよう。
ただし、帽子は長時間被っているとムレやすくなり、皮脂や汗が分泌されてニオイやフケの原因にもなってしまう。夏場は熱中症を防ぐためにも、メンズ用の日傘を使って対策するのもひとつの手だ。
清潔感のある男になるために忘れてはならないのが女性側の意見だ。ここでは、20代~30代のイマドキ女子に、男性のヘアケアについて率直な意見を聞いてみた。
Enaさん
(34歳)
体質だったら可哀想だな、とも思いますが、フケが多い人をみるとちょっと…。どんなにキリっとしていても、スーツの肩にフケがついていると残念。最低限の身だしなみにも気を遣えない人なんだな…って引いてしまいますね。そんな人の食生活とか私生活を聞くとやっぱり乱れていて、もったいないな~って思ってしまいます。
ゆりさん
(23歳)
男性のヘアスタイルについては「こうしたほうが似合うと思うよ」「こんな髪型が合っていそう~」って直接言えるけど、ニオイってなかなか人に指摘しづらいですよね~。職場で近くにいたら、何かの拍子にニオイがこっちに流れてくるたびに集中力を削がれます(笑)社会人として、そこは最低限気を遣ってほしいかな~と思います。